Windows95 インストール方法



それはお祭り騒ぎから始まった


1995年11月23日、待望のWindows95日本語版が発売になりました。 前日深夜から店頭には行列ができ、0時に発売解禁となった瞬間の映像が一般のニュース番組で取り上げられました。 一部の特殊な人々のものだったパソコンが一般的なものになったことを実感しました。

このOSから、Windows95・Windows98・Windows2000というように名称に西暦が入り、呼び名と内部バージョンを2つ持つようになりました。 その後、WindowsME・WindowsXP・WindowsVistaなど、西暦とは違う呼び名となり、更にその後、Windows7以降はバージョンの数字で呼ばれるようになりました。 2018年現在、最新がWindows10となっていますが、今後については全く未定で、Windows10が半永久的に使えるとか、「Redstone」や「Polaris」という名称になるとか、 いろいろな噂が飛び交っていますが、恐らく開発サイドもこれからの動向を決めかねているのではないかと思われます。

などと言う不透明な話しをする前に、PC-98用としてはWindows2000をもってサポートは終了したことを言わなければいけなかったでしょうか(笑)。 NECも2003年頃にPC-9821シリーズの開発を終え、一時代を築いた国民機はその歴史を閉じることになります。

PC-98用32ビットOS内部バージョンDOSバージョン備考
Windows95Windows 4.00.9507.00ロングファイルネームに対応
Windows95 OSR1Windows 4.00.950A7.00Windows95 + SP1 と同じ
Windows95 OSR2Windows 4.00.1111
表記上4.00.950B
7.10FAT32に対応
Windows95 OSR2.1Windows 4.00.1212
表記上4.00.950B
7.10USBに対応
Windows95 OSR2.5Windows 4.00.1241
表記上4.00.950C
7.10IE4.01・DirectX5
Windows98Windows 4.10.19987.10IEとの融合
Windows98 SEWindows 4.10.2222A7.10USB2.0
DVD-ROM
Windows2000Windows NT 5.00.2195無し 

この頃、私はDOS/V機に鞍替えしたため、PC-98ではWindwos95以降のOSを利用していません。 長い間愛用してきたPC-98を捨てた最大の理由は、同機能のマシンならDOS/V機の方が安いということですので、PC-98とDOS/V機を2台用意して動作を比べて見るなんてことはコスト的にできませんでした。 しかし仮想環境なら、ほとんど無料でこれらの環境が構築できる訳で、あの頃できなかったことが20年後に実現できるというのは何か不思議な気持ちです。



ドライブレターの問題


今Windowsを使っている方、Windowsにはドライブという概念があって、Windows本体はCドライブとなっていますよね?これが何故Aから始まらずCなのか、疑問に思ったことはありませんか。 これを読めば、その疑問は解決します。

若い人には想像できないかも知れませんが、パソコンにハードディスクがなかった時代があります。 通常はフロッピーディスクドライブが2台付いていて、システムディスク(OSやアプリなど起動用)とデータディスク(データファイル保存用)として使っていました。 それらがAドライブ、Bドライブとなります。 その後普及していったハードディスクは、順番から言うとCドライブ・・・となる訳ですが、ここでPC-98とDOS/V機で違いがあります。PC-98の場合、
フロッピーディスクから起動した場合
AドライブFDD
BドライブFDD
CドライブHDD
ハードディスクから起動した場合
AドライブHDD
BドライブFDD
CドライブFDD
というように、起動したドライブが常にAとなります。それに対してDOS/V機の場合は、
どこから起動しても変わらずに固定
AドライブFDD
BドライブFDD
CドライブHDD
となります。

それぞれの仕様なので、どちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、OS開発者がそのようにデザインしただけという認識でいました。 ところが、Windows95以降のインストール作業では、起動するものが何であるかによってドライブレターが変わるPC-98は不便に感じます。 DOS/V機では、CDドライブが利用可能な環境をFD起動で実現してしまえば、FD起動 -> CDドライブに移動 -> インストーラの起動 という流れでインストールができますが、 PC-98でこの方法を行おうとしても、インストール時と実行時のドライブレターの差異でエラーが発生するのです。

そこで、少し面倒ではありますが、このエラーの回避策として、ハードディスクにDOSが起動する環境をコピーして、 ハードディスクから起動してAドライブというドライブレターをフィックスしてからインストーラを起動するという手を使います。 具体的な方法は次の章で示します。



インストールの実行


インストール手順そのものに関しては、Win31と同様にNeko Project 21/WでWindowsを動かす(Windows95)に 詳しく載っていますので、こちらを参照して下さい。
※2025年02月時点、リンク切れになっています。

注意点は、ハードディスクから起動するような状態にしてからインストーラを実行するということです。
ここでもMS-DOS 6.2 起動ディスクを使用します。 詳しくはMS-DOS 6.2での緊急用起動FDイメージ作成を参照下さい。
ハードディスクイメージを新規作成します。形式は「VHD」、サイズは1GBとします。
※MS-DOS 6.2では512MBの壁はなくなっていますので、FAT16の最大である2GBまで使えます。

以下の状態でマシンを起動します。
・FDD1 MS-DOS 6.2起動ディスク
・IDE#0 Neko Projectで作成した1GB HDDイメージ

(1) OSが起動したらFORMAT.EXEをします。 お馴染みの「FORMAT /H」
(2) 初期化及び領域の確保を行います。この時、システム転送は「する」にして下さい。
(3) 一回目の再起動をします。
(4) その他のファイルの転送を行います。 「COPY A:\*.* C:」
  COMMAND.COMの上書きは「しない(N)」を選択します。
(5) ここで、FDDをイジェクトして二回目の再起動をします。
  ハードディスクから起動し、ここがAドライブとなります。
(6) QドライブにWindows95セットアップCDをセットしてSETUP.EXEを実行して下さい。

上記手順の簡単な解説を付け加えますと、こういうことになります。
(1)〜(4)で、FD起動した時と同じ状態となるHDを作ります。
(5)以降で、HD起動したドライブ(A:)をインストール先にしますので、ドライブレターの変化が起きない、ということになります。

ハード環境は以下の通りとしました。
項目設定値
メモリ13.6MB
サウンドPC-9801-86
アクセラレータPC-9821Xe10,Xa7e,Xb10 built-in
以上でWindows95のインストールが実施されます。

注意点としては、上記サイトでも述べられている通り、インストール作業中に起動ディスクの作成を行うように促されますが、これを実行しないようにして下さい。 鳴り物入りで登場したWindows95ですが、出始めの頃はインストール時に落ちることがしばしばありました。 当時、私が直面したのは、スペック不足のマシンに無理矢理インストールしようとしたか、過度にカスタマイズして使っているDOSやWin3.1に上書きインストールしたかですが、 非常事態に備え、そのような人たちを救うことが不可欠だったので、起動ディスクを作成させようとするこの動作は間違っていません。 ただ、仮想の場合は潤沢なスペック指定が可能ですし、通常はクリーンインストールしますので、あまり落ちた時のことを考慮する必要がありません。 またOSインストール後にいつでも起動ディスクの作成はできますので、Windows95に限らず「インストール時には起動ディスク作成を行わない」が仮想環境構築時のセオリーとなっています。





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