PC-98 エミュレータ事情 2004



PC-98からDOS/V機へ


Windows95の登場以降、私のメインマシンがPC-98からDOS/V機に移行しました。 以降、旧PC-98機は使われることもなく眠り続け、いつ廃棄したのかすら、今では記憶が定かではありません。 それでも、デジタル化できるデータは可能な限り保存し、 マシン本体や周辺機器、記憶媒体、関連書籍などは、少しずつ処分していきました。

そんなある日、「PC-98エミュレータ」なるものが存在すると知り、懐かしさもあって徐々に使い始めるようになりました。
当時、主流となっていたPC-98エミュレータは以下のようなものがありました。
  ・Anex86
  ・T98-NEXT
  ・Virtual98
この中で、私が選んだのは Anex86 です。記憶では、当時もっとも評判が良かったように思います。 厳密にはこれはNEC製PC-9800シリーズではなく、エプソンのPC-286互換機のエミュレータですが、 「エプソンプロテクト」と呼ばれるコピーガードを回避する方法も知っていたため、 実質的にPC-98エミュレータとして問題なく利用できました。 当時使用したバージョンは1.53から始まって2.77くらいまで進んでいました。
私の個人的な格闘記録が、当時のメモに残っていますので、そのまま掲載いたします。


当時のAnex86利用履歴より


2000-01-231.53入手・試用
2000-01-24 2.10入手・試用
Anecdx.e86でCD-ROMドライブ使用可
Win98で環境作る Win95では動かなかったANVFATが使用可
DISPELL入手・エプソンプロテクト解除で3.3Dと5.0の起動OK
ゲームソフトの動作確認
SC2000 Anexx21.e86とフルカラー設定でMate扱いで起動OK
2000-01-25 PC-98の環境をDOS/V機に全コピー
古いソフトの起動試すがダメ(一太郎2・3)3は8TO6などでOK
2000-01-26 MAXLINKの動作試すがダメ
Win3.1のインストール試すがダメ
Anefsxr.e86試用 動作OK(このドライブはGFが使えない)
メモリの容量 14,336K に
Fixed Speedは 5,000,000 が最大のようだ
DOS3.3D環境の構築
IPLCOPY、HDUT試用OK ME111.IPLは起動せず
DOS環境最初から作成 DOS3.3D, DOS5.0, DOS6.2
2000-01-27開発環境の作成
2000-01-30開発環境完成・環境作り一通り終了
 
2003-12-24 2.73入手・試用
フォント作成ツールで罫線の表示に成功
 
2004-09-12 最初から環境を構築し直す
DOS2.11 HDは使えず
一太郎2はプロテクトの問題で起動せず
2004-09-12一太郎5、Win3.1(640*400)動作する
2004-09-15 Win98のDOS7を試用 HDでは起動せず
Anex86プラグインを組み込む


当時、エミュレータを使って、かつて実機で使っていた環境をほぼそのまま再現することができました。 さらに、MS-DOSの各バージョンごとに環境を構築し、Windows 3.1も640×400の解像度ながら正常に動作させることができました。 しかし、その中であえて不満を挙げるとすれば、いくつかのソフトがエミュレータの制限により正しく動作しない現象があったことです。 具体的な例を挙げると
Disk-BASIC起動せず
N88BASIC Ver.5以降強制終了
DUT(自作ツール)起動時ハングアップ
MDUMP(自作ツール)拡張メモリ使用時ハングアップ

とくに問題だったのが、「DUT」や「MDUMP」といった、私が当時自作した個人専用ツールでした。 これらは当時のオンラインで入手できたフリーソフトよりも高機能で、 かなりの時間と労力をかけて開発した“力作”です。 それにもかかわらず、誰でも簡単に作れそうな単純なツールは問題なく動くのに、 自分が苦労して作ったツールがうまく動かない……この事実に大いに落胆しました(泣)。 この出来事がモチベーションの大きな低下を招き、それ以降、エミュレータ環境はしばらく放置状態となってしまいました。



この当時のNeko Projectは?


そして肝心の「Neko Project」ですが、当時の私はこの存在をまったく意識していませんでした(苦笑)。 手元には、2005年7月29日にダウンロードした Ver0.81a が残っているのですが、 それを実際に試したかどうかは、記憶にも記録にも残っていません。 このNeko Projectが、のちに私にとって「絶対に手放せないツール」となるのですが、 そこに至るまでにはさらに13年の月日を要することになります。


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