WindowsNT 3.51



たかがOSのインストール?


仮想マシン上にOSをインストールする場合、 インストーラが自動起動して、画面と対話すれば自然にできるものが当たり前になっている現在、 たかがOSのインストールという感覚を持ってしまっている自分がいます。
これは、インストーラが進歩したからそうなったのであって、昔のOSは決してそうではありませんでした。 折角かつて使ったOSを所持しているから、仮想マシンにも入れておこう、なんて軽い気持ちで始めて、 泥沼にはまるという経験をしました。それがWindowsNT3.51です。

OSやアプリは、FDでの提供が定着しましたが、枚数が増大するものはCDに変わりつつありました。 ところが、まだCDブートという概念が無かった、という時代背景が インストール作業の敷居を上げているのは間違いありません。 読み込み速度の遅いFDを何枚も入れ変えるのが嫌なら、CDをドライブとして認識する ブータブルFDを使ってそこから起動するしかありませんでした。

また、OSを単独で使うことをあまり想定していない節があり、 実際にこの当時は、他のOSとの共存を行っていた人は多かったのではと記憶しています。 仮想マシン上で敢えてマルチOSブート環境を作る意味はなく、 ひとつのOSのみで環境を構築したいという要望とも相反する、というところも悩みの種です。 少なくとも、環境構築途中で他のOSの力を借りるのはいいのですが、出来あがった環境は、 他のOS依存のないピュアなものにしたいというのが正直なところです。

「時代背景」という言葉を使ったついでに言うと、NT3.51はWindows95とほぼ同時期にあたり、 NTの堅牢さにWindows95の使いやすさを取り入れようといている途中のOSであるため、 後の完成度の高いOSを知ってから逆戻りすると、いろいろ苦労します。

そんなこんなで躓き捲ったのですが、これからインストールを行おうという人が 同じ失敗を繰り返さなくてもいいように、私がハマった落とし穴や、 試行錯誤から得た教訓についても記していきます。

能書きはこのくらいにして、インストール作業を開始しましょう。


いざ始めてみると・・・


製品の構成は、FD4枚・CD1枚です。正攻法で行けば、
FD起動 → FD2〜4に差し替え → WINNT.EXEの起動
ということになるのですが、これだとCDドライブを認識してくれません。

そこでちょっとインチキをする訳ですが、その方法が
Win98(CD認識)起動FDでBOOT → WINNT /t:C /X または WINNT /b
ところが、この方法ではハードディスクを認識してくれず、インストール途中で終わってしまいます。 先に領域を確保してi386配下をハードディスクにコピーしたりと、いろいろ試しましたが全てNGでした。

領域の確保を行う際、SCSIのドライバなら行けそうに見えたので、これを試すことにしました。 普段、仮想マシンのストレージでハードディスクを設定する際、IDE(及びその後継)にしておけば 何ら問題ないため意識していませんでしたが、コントローラにBusLogicを追加してここに ハードディスクを設定してみました。私はなるべくVHD形式を使うようにしているのですが SCSIだと選択できないようで、仕方なくVMDK形式を使用しました。

これで無事にインストール作業が継続できました。

ひと通りの作業を完了すると、Windows3.1と見分けがつかない画面が立ち上がりました。 今後の使い勝手を考えて、いろいろと設定を行います。
@起動時に30秒待つのは長いので、コントロールパネルのシステムの設定で「5秒」に変更。
A毎回パスワードを入力するのも面倒なので自動起動にします。 Windows3.1に近いので、エクスプローラではなくファイルマネージャです。 これはいいとして、C:\WINNT35\REGEDIT.EXEを起動すると「登録エディタ」というものが起動します。

この頃はまだWin95互換のREGEDITはないのかと諦めかけたところ、 C:\WINNT35\system32\REGEDIT32.EXEがレジストリエディタであることがわかり、 そちらを起動します。そこで下記のように設定します。
 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
  AutoAdminLogon  1                                                     
  DefaultPassword pass                                                  

起動時にエラーが出ていますので、これも対処いたします。

エラー内容を確認しますと、NetBios Helperのエラーとのことです。

よって、コントロールパネルからこのサービスの停止を行います。

これでエラーが消えました。環境構築時のエラーログがいつまでも残るのは嫌なので、 スナップショットを取り直す直前にイベントログも全クリアしておくことに致します。


結果オーライですが、何とかなりました


何とか、それなりに動くようにはなりました。VirtualBOXの「Aditions」は使えないですが、 SP5は入れておきましょう。手順は簡単ですので省略致します。

あと、ディスプレードライバですね。 普通にインストールすれば800×600まで表示できます。 当時としては充分な大きさと思いますが、現在の感覚では狭く感じます。

このあたりは、ネット上の情報を駆使すれば行けそうですね。
注意点としては、NT3.51のドライバは、NT4以降とは互換がないことです。
どこかのサイトの情報そのままですが、NT3.51の情報が少ないので、載せておきます。

@「VESAドライバ」を入手
ANT35xフォルダにあるframebuf.dllをC:\WINNT35\System32 フォルダにコピー
Bvbempk\VBE20\NT35Xをフォルダごとコピー(ここにOEMSETUP.INFがある)
C「コントロールパネル」ー「ディスプレイ」からこのファイルを指定してセットアップを行う


こんな感じの画面が立ち上がるようになりました。 ただこれは、結果オーライであって環境構築手順も確立されていないです。 取り敢えず、環境ができたことで満足しておきますが、いつか時間が取れたら、リベンジしたいです。

今回はここまでとします。

戻る