Windows11でなくなったもの・今後なくなるもの



あれ、WMICがない?


個人的な話ですが、自宅PCはWindows 10から11にアップグレードし、 職場PCはWindows 11がプリインストールされた機種を使用しています。 WMICを使った自作のプログラムが自宅では動くのですが、職場では動きません。 原因はとても単純で、職場のPCにはWMICが存在しないからです。 Windows 11は、デフォルトではWMICを含まない仕様になっています。 一方、自宅のPCはWindows 10からアップグレードしたため、元からあったWMICがそのまま残っており、 このような環境の差異が生じたというわけです。 Windows 11でもWMICを追加インストールすることは可能なようですが、 今後のことを考えると、使わないという選択のほうが賢明に思えます。 WMICを使用していた部分は、PowerShellで代用する予定です。

WMICはWindows XPから使用可能となりましたが、2016年には廃止が宣告された、 比較的短命なツールです。 これが使えなくなること自体は、それほど大きなインパクトではありませんが、 これに頼っていた処理の代替を考える必要がある点では、やや面倒でもあります。 今回は、そんな話を少ししてみたいと思います。

Windows 11では、WMICのほかにも、3Dペイント、タイムライン機能、Cortana、Internet Explorerなどが廃止されました。 また、現時点ではまだ使えるものの、非推奨とされ将来的に確実に廃止されると予告されている機能も存在します。
 ・コマンドプロンプト
 ・コントロールパネル
どちらもWindows初期から存在するもので、30年の歴史があります。 ベテランユーザーにとっては、少し寂しい話かもしれません。 私はかつて、MS-DOSを知らない若い世代に「かつてはコマンドプロンプトだけで、ひとつのOSだったと思ってください」と 説明したことがあります。その説明が通じなくなる日が、いずれ来るわけです。


コマンドプロンプトがなくなると・・・


無くなると聞いて、真っ先に気になるのは「コマンドプロンプト」です。 これは「PowerShell」に置き換えられていくのでしょう。 PowerShellは、機能的には高く評価されているツールですが、私自身はまだあまり使い慣れていません。 というのも、多くの作業はコマンドプロンプトで十分だったからです。

これからは、PowerShellについて少し勉強しておかないといけないかもしれません。 コマンドプロンプトの後継として登場したPowerShellには、独自の「コマンドレット」と呼ばれる機能があり、 多くの新しい操作が可能になっています。 拡張子「.ps1」で保存されるスクリプトも、これまでとは異なる独特な構文を持っており、 とっつきにくい印象を持ったのは、私だけではないと思います。

PowerShellを「コマンドプロンプト」の後継として改めて使ってみると、 DOS互換の基本的なコマンドがそのまま使えることがわかります。

たとえば、ファイルの中身を表示する「type」コマンドはどうなるかというと
 Get-Content C:\temp\test.txt
このように書きます。
「-TotalCount 10」のように行数を指定することもでき、 より柔軟に使えるようになっているので、これはこれで便利だと思うことにしましょう。 ちなみに「type」でも一応動作します(内部的にはエイリアスとして扱われています)。

MS-DOSを使う機会はめっきり減り、最近ではコマンド入力はもっぱらLinux系での操作が中心です。 そのせいか、つい「ls」や「pwd」などを打ってしまいがちですが、 PowerShellではこれらも(エイリアスにより)意図した通りに動作します。 こうしたフールプルーフ(ユーザーの誤操作を許容する設計)は、 地味ながらも非常に便利だと感じます。



拡張子「.BAT」で作った過去の資産はそのまま維持するとしても、 これから新しく作成するものについては、PowerShellに移行しようと思っています。


コントロールパネルがなくなると・・・


「コントロールパネル」は、今後「設定」アプリに置き換えられていくことになります。 これまで使えていたものが突然使えなくなるというわけではなく、 操作方法が変わるだけなので、慣れさえすれば大きな問題はないと感じています。

私が個人的に気になっているのは、 「ImDisk Virtual Disk Driver」というコントロールパネルアプレット型のフリーソフトの扱いです。 コントロールパネルが廃止されたOSでは、インストール時にエラーが発生するか、 仮にインストールできたとしても、拡張子「.cpl」の実行ができなくなる可能性が高いです。



このソフトを使う最大の目的は、仮想FD(フロッピーディスク)ドライブの作成です。 今では実機のFDドライブを備えたPCはほとんど存在しないため、 仮想マシンソフトやレトロPCエミュレータを使用する際に、この機能は非常に重宝しています。

今後の対応としては、エミュレータの内部機能で仮想FDドライブを代用して ImDiskそのものを使わなくするか、 あるいは同等の機能を備えた別のアプリに移行するか、悩んでいるところです。

Xデーはいつになるのでしょうか?



戻る