デジタル3分クッキング・音楽CD編
「デジタル3分クッキング」というコーナーを作って、様々なコンテンツを有意義に効率よく扱っていくためのノウハウを紹介していくことにしました。 雰囲気を出したい方はこんなBGMでも流しながら読んで下さい。
初回は音楽CD編です。
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リッピング〜まずはmp3ファイルの作成〜
音楽好きにとって、音楽CDが増えていくことは喜ばしいのですが、それが膨大な量になってくると手放しには喜べません。
昨今、レンタルCDの充実ぶりも目を見張るものがありますが、CDを借りて返してもう二度と聴かないという人はいないでしょう。 全曲または気に入った一部の曲をデータファイル化して、いつでも聴けるようにしたいはずです。
そこで利用するのがリッピングソフトです。 音楽CDからmp3ファイルを作成するものです。 パソコン用のCDの場合は丸ごとISOファイル化するという方法が一般的ですが、音楽CDはちょっと特殊な構造をしていますので、丸ごとというのは通常行わず、曲単位でmp3ファイル化するのが常套手段になります。 音声ファイルの定番「mp3」ファイルは再生できない環境はほとんどありませんので、音楽CD専用のプレーヤーソフトが不要になりますし、いろいろなアーティストの好きな曲だけを集めてオリジナルの曲順で聴いたりするのに役立ちます。
リッピングの難点と言えば、作成されたmp3ファイルの名前が只の連番だったりすることです。 これだと、どのファイルが何の曲だったかわからなくなりますので、ファイルごとに名前を付けてあげないと後々困るのは火を見るより明らかです。 ファイル名の付け方について言えば、特に絶対的な決まりはありませんが、最低でも曲のタイトルは必須、できればアーティスト名やアルバム名、CD内での連番くらいは欲しいものです。 これを手作業でとなると1枚のCDで結構な作業量となります。
以前はJET-AUDIOというソフトを使っていたのですが、この面倒な作業を簡略化するために、わざわざmameファイルのプラグインを作成するというしてことまでしてました。
使い方は、アーティスト名・アルバム名・発売日の3行、1行空けて曲名のリスト、というテキストファイルを作って、この部分をクリップボードにセットします。 この状態で、リッピングされた出力フォルダでプラグインを実行します。こんな感じで変換されます。
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ここに、その時のmameファイルプラグインのソースとDLLを示します。
VC6でコンパイル可能です。
【ダウンロード】
これまで、そんな苦労をしてきましたが朗報が入ります。 インターネット環境があれば、音楽CDの中身を自動判別してアーティスト名・曲名等を表示するプレーヤーソフトが出てきました、しかも無料で。
私が使うことにしたのは「Quintessential Player」です。 アーティスト名・曲名等を画面に表示する機能は、リッピングした時のファイル名にも使えます。 ただし、そのためには、ちょっとした設定が必要になります。そのあたりを次の章で説明します。
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Quintessential Player の使い方
「Quintessential Player」のインストーラをダウンロードします。 現時点の最新は「4.51」です。インストール作業そのものは特に難解な部分はありません。 実行ファイルをそのまま実行して下さい。
続いて設定です。左上のメニューボタンから「設定」を選択します。
「エンコード形式」でビットレートの指定をします。私は192kbpsにしています。
「出力ファイ」で出力先のフォルダと名前等のテンプレートの指定をします。
標準の出力先フォルダは、各自の環境に合わせて下さい。
問題はこのテンプレートですが、正直わかりにくいです(笑)。無駄な格闘は避けて以下のようにして下さい。
ファイル ?NUMBER?<%NUMBER% ?ARTTRK?<%ARTTRK%> ?TITLE?<%TITLE%|%FILE%>
フォルダ ?ARTALB?<%ARTALB%|unknown artist>\?ALBUM?<%ALBUM%|unknown album>
こうすると、指定した出力先にアーティスト名のフォルダができ、その下にアルバム名のフォルダができます。 そこにファイル名が連番・アーティスト名・タイトル名の形式で出力されます。
これで、いろいろな不便が解消されました。
音楽CD媒体の山から目的のものを探すということもしなくなりましたし、誰の曲か思い出せない時でもファイル名の検索で見つけられるし、 データの一元管理化というのは大事だなと改めて感じます。
すっかりレンタルCD屋さんの常連になりましたが、リッピングして翌日には返却、わざわざ媒体を使って音楽を聴くこともないし、レンタル期間の1週間なんて全然必要ありません。 返却時に店員さんに「音飛びはありませんでしたか?」と聞かれますが、聞いてないのでわかりません。 こんな時は、まあ、リッピングは正常に行われたのだから「大丈夫でした」と答えておきます。
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気になるバラつきをなくしておきましょう
音楽CDを媒体で聴くのであれば気にする必要はないのですが、mp3ファイルにしていろいろなデータを一括して扱うと、気になる点が出てきます。 ひとつは音量レベル、もうひとつは曲先頭・末尾の無音時間の長さです。
音楽CDによって音量レベルに結構バラつきがあるんです。 聴く曲ごとにレベル調整していては面倒ですので、これは合わせておきたいところです。 それから次の曲がかかるまでに間がありすぎると、もう曲リストの最後までおわってしまったかな?と勘違いする場合があります。 細かいことですが、これも是正しておきたいところです。
音量の調整には、「MP3Gain」を使っています。
インストールは「mp3gain-win-1_3_4.exe」を実行するだけですので、手順の説明は省略します。
インストール後の設置でやっておきたいのが2点。
ひとつは日本語化、もうひとつはm4a対応です。
日本語化
m4a対応(2012年追記)
※aacgainの実行モジュールをリネームして上書き、というのが特殊なので、自分自身の備忘録として記載。
音量については特に規定はないのでしょうね。 昔のCDは90dbくらいのものが多いですが、最近は95〜100dbくらいのものが主流です。 共通した値にすることで、各曲のバラつきが押さえられます。 いくつに設定するかは各個人の自由ですが、私は9月7日生まれなので97dbにしてます(本当の話し)。
「私、1月1日生まれなので11dbにしたのですが、全然音が聞こえません。どうしたらいいですか?」という質問は受け付けません。
気をつけて頂きたいのは、この画面で変換依頼したファイルを直接編集しますので、元のCDの音量レベルを保持したいのであれば、ファイルのコピーを作って、それを変換して下さい。
大量のファイルを指定すると結構時間がかかりますが、後々苦労せずに楽しく聴ける訳ですので、気長に待ちましょう。
無音部分のカットは、私は「Any Video Converter」を使用しています。同等の機能を持つアプリはフリーでもいろいろあると思いますので、使いやすいものを使っていただければいいかなと思います。
(もっといろいろな使い道のある)このアプリの機能からすれば、ごく一部しか使っていませんが、この話題としては、こんな感じの説明になります。
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痛恨の重複CDレンタル
mp3に限らずですが、データ量が増えてきたら、全てを頭の中に把握することは不可能です。
先日やらかしてしまったのは、既に所有している(mp3化してですが)CDを、またレンタルしてしまいました。 大した金額ではないかも知れませんが、こういう不注意による無駄な出費はショックを受けます。 借りようかどうか迷った末に借りたのですが、借りなかったと思い込んでしまったのが原因です。 それはもう過ぎたこととして忘れることにして、再発防止を考えないといけません。
対処は簡単ですね。データを一元管理できているのだから、一覧化して持ち歩けるようにすればいいんです。
ディレクトリの内容を出力するプログラムを作成し、リダイレクトしたリストをスマホに送るようにすればOKです。
凝ったものでなければ「DIR」や「TREE」コマンドでも充分ですし、特定の階層や特定の名称のディレクトリだけ出したければ それなりのプログラミング力が必要となりますが、狭いスマホ画面で見るわけですから、必要不可欠で最小のものにしたいところです。
図書館で音楽CDを借りる場合など、無料ならまだいいのですが、レンタルなど料金が発生する場合は、必ず手持ちにないか確認するようにしています。
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